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理想の豆かんを追い求めて

たまたま自宅で作り手みやげにした”豆かん”を、地元のこだわり食品ばかりを集めた感度の高い繁盛店”京北スーパー”のバイヤー様に認めていただき、取引がスタートしたことや、イベント出店で呼んでいただいたことをキッカケに、もっと突き詰めてお菓子を作り販売していこうと思い今現在に至るわけです。私も2店舗目の飲食店の時には接客として関わっていたのですが、取引先の専務取締役との出会いで、それまでの甘い考えや生き方へのお叱りをいただき、”この人に認められる人間になりたいと考え方を一新、製造はもちろん、方針や経営に関しても本腰を入れて私も深く関わるようになりました。孫にも食べさせたい、添加物なしの美味の味覚を育てたいという思いを込めて、「グランマズグルメもえぎ」と命名したわけです。先程もお話しましたが、創業当時からこだわりのある「豆かん」をもっと突き詰めてみようと、自分なりに様々な試行錯誤を重ねていくわけです。

Q.こだわりの”豆かん”にはどんな特徴があるのですか。

A.お客様からは「美味しい」という声をたくさんいただいていたのですが、以前は私自身が豆かんを好きではなかったのです。嫌いだから不満足というか、自分にとっては美味しくない。であれば、”自分自身が美味しいと感じる豆かんを作ろう”と奮起し、そこから豆かんと本気で向き合うことが楽しくなってきました。寒天も仕込みとなると量もかさみ無駄にすることも多々ありましたし、赤えんどう豆は破裂寸前まで似るのがベストだと考えていたので、鍋の前で何時間も費やしたこともありました。寒天が柔らかすぎると歯ごたえがない、かと言って硬くすると酢の匂いが残ってしまうなど、様々な試行錯誤と苦労を重ねました。私自身は外で修行をしたことが無いので、どこがゴールかもわからないまま、自分との闘いと捉えて徹底的にやるしか無かったのです。どんどん追求していくうち、食感や透明度も自分が理想とする寒天に近づけることができました。結果的に、「これで浅草まで買いに行かなくてもいい」「銀座や浅草で食べたのより美味しい」と豆かんを御存知だった方にも非常に高い評価を頂けるようになりました。こだわった製法なので、1日100人分しか作ることができず、大量生産で合理化を進める今の時代には逆行しているようですが、手作りだからこそ引き出せる寒天本来の味、食物繊維を感じられるように作れていることに、今現在は自信と誇りを持ってご提供させていただいております。

食物アレルギー対応ケーキへの挑戦

Q.創業当時からのこだわりを更に進化させているわけですね。今、取り組んでいる新しいプロジェクトについても教えてください

A.弊社は地域のお客様からの要望に応え続けてきた結果、歩みを止めず成長させてもらってきました。豆かんや鴨、串揚げはもちろんですが、うどんだけだったメニューに側を追加したのも、18席から60席にお店を広げたのも、地域の方からの要望に応えながら喜んでもらいたいという気持ちからで、色々な経験をさせていただくことができました。そんな思いと向かい合う中、私自身が食物アレルギーだったということもあり、食物アレルギーについて興味を持つようになりました。私の場合は、大豆アレルギーで豆腐や枝豆を食べた時に、少し舌がしびれる程度の軽い症状だったのですが、最近の子供たちの食物アレルギーは命に関わることもあるようです。さらに詳しく調べていくと、給食でもアレルギー用のものが作られているそうです。みんなと違うものを食べていて仲間外れのキッカケになるかもしれないですし、何より本人が寂しい思いをしていると思うんです。現在、アレルギー対応のケーキ自体は他社さんも開発され、既にマーケットでも買うことはできるのですが、正直私には美味しく感じられないのです。ケーキを食べたことのない食物アレルギーの子からは、それでも美味しいと感じるかもしれないのですが、家族の人が食べると美味しいとは思えない。そんな状況を見て、誰が食べても美味しいケーキを作りたいと思ったわけです。つまり、小麦粉、卵、牛乳を使わず、言わなければ食物アレルギー対応のケーキだと気付くこともない、そんな美味しいケーキを作って食べてもらいたいのです。

Q.小麦粉、卵、牛乳を使わずケーキを作ることは可能なのですか。

A.小麦粉の代わりはアーモンドのパウダーだったり、アーモンドがダメな場合はホワイトソルガムというキビの仲間を使ったり、生クリームのホイップの代わりにソイホイップを使っています。

Q.もともとケーキ職人だったわけではなく、豆かんを中心とした和のお菓子しか作っていなかったわけですが、戸惑うことは無かったのですか。

A.和の時もそうですが、誰に習うわけでもなくすべて未経験でスタートしているので、まずは見よう見まねで、本などから情報を取得しながら作り出しました。書店には食品アレルギーに対応しているケーキの本などはあまり売っていないので、その中から「小麦粉や卵の代用品はないのか」と独学で研究を重ねながら、九州にアレルギー対応のお店があると聞いたので足を運び教えを請い、ようやく自分でも満足のいく食品アレルギー対応のケーキを仕上げることができるようになりました。今の若い世代は20人に1人が食物アレルギーと、私たちの世代よりも確実にそのパーセンテージが上がっています。そんんあ状況で困っている人の役に立てれば嬉しいと思います。

食文化で地域に貢献し、家族を幸せに。。。

Q.今後のヴィジョンについてお聞かせください。

A.現在、血糖値を気にする方用に、香川大学が量産化に成功した稀少糖を使ったお菓子も作っています。この様に今後は、食物アレルギーだけでなく、食事全般で困っている人に頼ってもらえるようになりたいのはもちろんですが、弊社はこの柏市で地域の人たちに愛され、支えられて商売をしてくることができました。今は形を換え、お菓子の販売を進めていく中で、地域の人としっかり向き合いながら恩返しをしていきたいと考えています。これからもお客様にもとめられもの、この地域で必要とされるものを提供していければと思います。この地域に必要とされる食文化を提供し、食を通じて地域に新しい風を吹かせながら、家族の幸せな笑顔を増やしていくことが使命だと考えております。

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